2013年3月23日土曜日

ローママラソン2013


ローマでは、毎年3月後半になると、冬の終わりを告げるかのように3つの大イベントが開催され、街は大賑わいになります。

まず、イースター。
復活祭のミサを祝うため、世界各国からのキリスト教徒がバチカンへ集まります。

そして、聖パトリック・デイ。
これはアイルランドのお祭りですが、ちょうどこの時期にラグビーの国際試合「6 Nations」のイタリア対アイルランドの試合がローマで開催されるため、ローマ中心部は緑の帽子のアイルランド人で賑わいます。

そして、今回の本題、「Maratona di Roma」も3月後半の日曜日です。

1995年から始まり、今年で第19回目を数えるローママラソン。
42.195kmのフルマンラソンで、ローマの著名な観光名所をほぼ全て含む市街地コースになっています。

まずは、コースのご紹介。

今年は3月17日(日)朝9:00。
1万4000人のランナーが、コロッセオ前のViale Fori Imperiali からのスタートです。
(トップ写真)

1.ベネツィア広場からチルコマッシモへ。
2.ずっと南下してSan Paolo教会へ。
3.テヴェレ川沿いに北上してサンタンジェロ城。
4.サン・ピエトロ大聖堂。
5.ローマサッカーの聖地、スタジオ・オリンピコ。
6.川沿いを南下した後、Via del Corsoを通ってポポロ広場へ。
7.もちろん有名なスペイン広場、トレヴィの泉も通過します。
8.古代遺跡の立ち並ぶフォロ・ロマーノから、コロッセオ外周。
9.グラディエーターの衣装のスタッフの持つテープを切ってゴール!
 今年の優勝者は、男女共にアフリカ勢。
男子優勝者のNegari(エチオピア)は、02:07:56の快挙でした。


ローママラソンでは、人間に限らず、動物(4つ足の部)のエントリーも可能です!
コースは5km、もちろん飼い主も一緒に走ります。
参加賞として全員にフリスビー、そして上位5名(匹)には特別賞を用意されています。



ロゴマーク。個人的に気に入ってます。
ゼッケン着用です。
今年のチャンピオン。(TV画面より)

ローママラソンはプロ級の選手はもちろん、日々鍛錬に励む市民ランナー、海外からの挑戦者、そして散歩感覚で楽しむニワカランナー(7時間以内に完走すればOKです)まで、さまざまなランナーで賑わう、春の一大イベントです。

2013年3月14日木曜日

アニメ映画「ピノッキオ 2012」


現在イタリアでは、新作アニメ映画「ピノッキオ」が公開中です。
ピノッキオといえば、ディズニーのアニメ映画(1940年制作)が有名ですが、その後72年の時を経て、物語の本場イタリア人による新作公開、ということで期待せずにはいられません。

さっそく勇んで、日曜日の映画館へ。
公開直後ということのあり、客席はけっこう賑わってます。
ですが、よく見ると、親子連れ客ばかり。
どうやら、イタリアの若者はピノキオにはあまり興味がないようです。
(というか、彼ら自身が多かれ少なかれピノキオの血を引くメンタリティーも持っている、とつくづく感じていますが)

客席の賑やかなざわめきの中、定刻通りに映画が始まりました。

オープニングは、ピノッキオの暮らす美しい山頂の町の遠景からスタートです。
手描きのムード溢れる、美しいイラスレーションです。


この山頂の町の風景、実際にイタリア国内のあちこちに存在するものです。
参考に、下の写真はローマ近郊に町の眺めです。


 以下、画像にて登場人物の紹介です。

ジェペットおじいさんとピノッキオ。
ピノッキオと、物の言うコオロギ
キツネとネコ

 上映時間は、84分。
ストーリーは周知のとおり、ピノッキオが様々なトラブルをくぐり抜け、成長していき、最後のは念願の人間の子供になって、ハッピーエンドです。
ほのぼのとしたキャラクター達の世界にグイグイと引き込まれ、あっという間の84分でした。
作品のクオリティーも素晴らしいので、リピートの価値は大いにありです。

最後のクレジットで気づいたのですが、声優がピノッキオ役(Gabriele Caprio) と、ジェペット役(Mino Caprio) が同じ苗字。
調べてみたら、本当の親子による共演だそうです。
しかもGabrieleは、制作当時、たったの8歳。
日本では子役の声優といえば、成人女性が演じるのが一般的だと思っており、作品中のピノッキオの物凄い流暢なトークから当然大人と信じこんで観ていたので、これは意外でした。
イタリア人の雄弁は、幼少時からなようです。

「ピノッキオ2012」、日本での公開はまだ予定されていないようですが、1日も早い上陸を期待してます。

Pinocchio 公式 Website
http://www.pinocchioilfilm.it





2013年3月2日土曜日

Galleria d'Arte Moderna


今回は、イタリアではちょっと珍しい、国内モダンアート作品を専門に展示する美術館をご紹介します。
場所はスペイン階段にほど近い、坂の中腹に建つ、サーモン色の外壁が眩しい建物です。


Galleria D'Arte Moderna di Roma Capitale

1925年、開館。 建物は16世紀の修道院を改装。
近年には改装工事のため閉館しており、2011年11月に新装Open。
イタリア国内の19-20世紀に活躍した芸術家作品コレクションを展示。


建物自体は築500年ということになりますが、内部はすっかり改装され、最新設備が整った快適な空間です。



展示スペースは1〜3階まであり、ジャズ音楽など静かに流れる中、センスよく配置されたハイクオリティー、かつバラエティに富んだ作品を、興味深く眺めて回りました。
著名なルネサンスの芸術家達と違って、イタリアの近代芸術家は、あまり知名度がないため、全く予備知識ナシの状態での鑑賞となります。
ですが、生きていた時代が近いせいか、割りとすんなりと作品の世界に入っていけるように感じました。

館内では、フラッシュ無しであれば写真撮影OKとのことなので、個人的に注目した作品をいくつか撮影してみました。


  「静物画」 Afro Basaldella (1912-1976)
とても王道、かつ溢れ出る非凡な才能を感じる静物画だと思いました。
バランスのよい画面構成、モチーフのチョイスにも工夫が凝らされ、鑑賞者をいつまでも魅了し続けます。


「家族の肖像」 Nino Caffe' (1909-1975)
暖かい色合いが、一昔前の家族の記念写真のようなムードを醸しだしています。
家族全員、1つの画面に収まっていながらも、各人それぞれ違った想いを抱えているような。

この画家の風変わりな名前が気になり、ネット検索してみたら、なんとebayで多数の作品が販売されていました。

不思議な修道僧の群れ(?)を主題にした作品が得意のシリーズなようです。
上の絵は、販売価格3,000ユーロ(36万円)。
その気になれば、手が届きそうな微妙な価格。。。モダンアートは著名作家であっても一般人でも入手可能であると知りました。


 「クレオパトラ」 Girolamo Masini (1840-1885)
作品に近づいただけで、最大級のフェロモンを感じ、素通りするのは不可能なほどです。
古代ローマ時代の権力者達を次々と虜にした「絶世の美女」として知られるクレオパトラ、この像からは女王の威厳は完全に除外されていますが、そんなことなど全く問題にならないほど、女性の魅力を最大限に表現しています。
冷たい大理石から、ここまで人間の生々しさを表現するとは素晴らしいです。

同作家 Girolamo Masini による彫刻は、古代ローマの中心であるカンピドリオの丘にも展示されています。

Cola di Rienzo 像。
ベネツィア広場の脇からカンピドリオの丘へ登る階段の左の芝生に立っています。
Cola di Rienzoは14世紀に活躍した、最後の護民官と呼ばれる人物。
歴史の中では、善悪つけるのが大変難しい人物ですが、作者のGirolamoはこのような歴史上の有名人を自分の中で想像を膨らませて彫像を創り上げることを得意としたのかもしれません。


 Galleria D'Arte Moderna di Roma Capitale
adress: Via Francesco Crispi 24
open: Tue-Sun 10:00-18:00